シスターの散歩道

このブログはノートルダム修道女会のシスターが日々の気付きを綴るブログです。
記録と記憶
記録と記憶
  今朝、病院でのリハビリの帰りに、町の時計店によって電池をかえてもらいました。最初の携帯をかたどった親指ぐらいの小さな私の時計のフタをあけて、「2年まえに電池をかえたのですね。フタの裏に記録があります。」と、女主人が言いました。
  その日、病院から持ちかえった「Sohma News」秋号に、私の主治医の先生が、「今年の夏の暑さは異常だったが、去年の暑さはどうだったかというと、記憶はもう曖昧になる。気象庁の記録をしらべたところ、日中最高気温が39度以上の地点が今年は38か所、去年は2か所だけだった。2年前の夏のこととなると、まったく記憶にない。….最近、自分の車に、ドライブレコーダーをつけたところ、記録されているとおもうと、運転もすこし慎重になる。診療の場でも記録の助けを借りて、安全運転に努めたい。」と書いておられました。
  去年の夏、たずねたアメリカの老人ホームにすむ友人は、うつくしいペンマンシップで、綿密につけた日記帳から、私たちが共に過ごした記録をさがしたのですが、見つかりませんでした。アフリカンバイオレットの愛好家だったこの友人は、セントルイスの植物園、ショーズ・ガーデンでの例会のために、2年つづけて私に、日本の生け花をいけてくれるように頼んだのです。訪問のとき、私たちがこのささやかな生け花展のことを記憶にのぼらせることができていたら、日記帳の中に生け花展の記録も見つかり、会話がもっとはずんだだろうと今にして思うのです。
  時計店の女主人のことばが、記録と記憶の関わりを思いめぐらすきっかけとなりました。
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